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『うつくしい革命』(劇団フルタ丸) [演劇]

 しばらく芝居から遠ざかっていた。
 別に嫌いになったわけではなく、仕事の部署が変わったことと、娘の学費で金銭的に余裕がなくなったことが主な理由。
 しかし、ここ最近になって、ああ、観たいなあ~という気持ちが高まってきて、ええい、まま(=なりゆき)よ! とばかりにチケットを購入したのだった。

 10周年記念公演と銘打たれているが、フルタ丸という劇団の存在は知りませんでした。
 でも、半分自虐的に書かれた<失敗した自分の革命>(芝居で天下取ってやる! と意気込んでからの10年間)についての文章を読んで、妙に共感が湧いてしまい、こりゃあ、行っとくか !? と。

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 STORY
 演じることを禁止された街に、まだ若い女優がやってきた。この街は演じることさえしなければ、至極暮らしやすい街で、働く必要すらなく、彼女と同じような、役者を辞めた者たちが悠々自適な生活を送っていた。
 平和そのものであるはずの彼らは、しかし、同じ役者なれど、舞台俳優であった者と、テレビ俳優だった者に分かれて、お互いを目の敵にしていた。また、警備員が巡回し、絶えず住民が演技をしないか監視する監視国家の様相を呈していた。
 そんな中、一人が演技をしたくなり・・・。

 と、だいたいこんな感じで始まる。


 芝居という<毒>に侵されてしまった者は、演じずにはいられない。それが禁断の果実をかじってしまった者の宿命。
 フルタジュン氏は今回の芝居のチラシに、この10年の理想と現実を記した。10年頑張って芝居をやってきた自分を取り巻く環境が、けして明るい未来に包まれているわけではないことを自覚してしまっている自分。そもそもサラリーマンでもやっていた方が収入も安定するし、結婚⇒子ども⇒家族、といった世間一般で言うところの "幸福" だって得られる確率は高い。にもかかわらず、20代前半の初期衝動のまま、大学を卒業した後も、芝居を作ること、演じることを選択してしまった。10年前の "あの時点" の自分に間違いがなかったとは、たぶん、断言出来ないはずだ。
 にもかかわらず、それでも選択は成された。自分の意志で。ならばやるしかないじゃないか! の10年だったはず。その是非をこの『うつくしい革命』は問う。
 劇団代表のフルタジュン氏は現在31歳。そんな自問自答をせざるを得ない年齢に差し掛かったということだ。嫌な話だが、転職を2度経験しているボクも、年齢が上がれば上がるほど、選べる職種は減ってゆくのを実感したものだ。
 20代の無謀は美しい。だが、悩める30代を経て、取り返しのつかない40代へと陥る危険をはらんでの "今" なのだ。

 あくまで芝居(虚構)という形を取ってはいるものの、その裏側(現実)はかなりシビアだ。
 芝居を続けるのか、辞めるのか。
 20代の頃に夢見ていた、芝居で起こす<革命>はまだ成されていない。それでも<革命>を夢見て邁進する力が自分にまだ残されているのか?
 その覚悟を見せる10周年記念公演。


  
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